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2018年度「東工大の星」支援【STAR】受賞者のご紹介

本学の優秀な若手研究者としまして、稲木信介准教授(物質理工学院 応用化学系)と北野政明准教授(元素戦略研究センター)をご紹介いたします。両氏は、2018年度の「東工大の星」支援(英語名称:Support for Tokyo Tech Advanced Researchers【STAR】)に採択されました。「東工大の星」支援【STAR】とは、東工大基金を活用し、将来、国家プロジェクトのテーマとなりうる研究を推進している若手研究者や、基礎的・基盤的領域で顕著な業績をあげている若手研究者へ大型研究費の支援を通じて、次世代を担う本学の輝く「星」を支援するものです。

今回は、両氏の詳しい研究内容をご紹介いたします。ご興味のある企業の皆様は、お気軽にご一報下さい。今後の共同研究等への発展のお役に立てば幸いです。

稲木信介准教授と北野政明准教授が2018年度「東工大の星」支援【STAR】に決定|東工大ニュース

受賞者との記念撮影(9月5日) (前列)北野政明准教授(左)、稲木信介准教授、(後列)益一哉学長(左)、渡辺理事・副学長(研究担当)

稲木 信介 物質理工学院 応用化学系 准教授

バイポーラ電気化学に基づく機能性高分子材料の開発

近年、有機合成や高分子合成において電気や光などの外部エネルギーを利用する手法が脚光を浴びています。例えば、酸化剤や還元剤などの有害かつ危険な試薬の代わりに電気エネルギーを用いて有用な物質を生産する有機電解合成法は、環境調和型プロセスとして注目されています。稲木研究室では、有機電解合成の概念に基づき、導電性高分子材料の電解合成やさらなる電気化学反応による機能化について研究しています。このように、電極表面で進行する電子移動反応を研究する過程で、「バイポーラ電極」という、陽陰極を同時に発現するワイヤレス電極に出会い、そのユニークな特徴に魅了されました...続きを読む

北野 政明 元素戦略研究センター 准教授

電子化物、またはヒドリド化合物を含む新規固体触媒の開発

無機材料骨格のアニオンサイトに、電子やヒドリドイオン(H-イオン)を有する材料をそれぞれ電子化物、水素化物(ヒドリド化合物)というが、これらの材料は強力な電子供与性や水素吸蔵放出能などユニークな特徴を有している。このような材料は、近年研究例が増加してきており、超伝導物質、イオン導電性材料、触媒など様々な分野への応用が期待されている。私は、電子化物やヒドリド化合物を用いることで、不活性な窒素分子を活性化し温和な条件下でアンモニアを合成する研究を行っている...続きを読む